【キャリア共奏 第0018号】
キャリアカウンセラーの濱野です。
仕事にしろ、プライベートにしろ、どんなにがんばって先を読もうとしても、正確には予測することはできないものです。
先を読もうとしている対象が、人間の感情であればなおさらです。
メールなどで情報を発信する時、あるいはお願いごとをする時に、相手のことを慮り、内容や表現を吟味する。
これは、自分にとっては、ある意味当たり前の礼儀だと思っています。
仕事ですので、シンプルに用件だけ伝わればOKという場合も確かにありますので、それを否定するものではありません。
時間の許す範囲で、「相手のことを慮り、内容や表現を吟味する」ことは、尊い作業だと思います。
ただし、これも度がすぎると、自分中心の考えに陥り、様々な弊害を生む場合があるので、注意が必要です。
相手の気持ちを考えて、長文のメールを、何度も見直して、何度も書きかえて、やっと送信ボタンを押した。
そんなメールに対して、以下のような場合、どんな気持ちになるでしょうか?
「返信が、なかなか来ない」
「工夫して考えた前置きがスルーされて、用件だけが返信される」
「ニュアンスがずれて伝わって、誤解が生まれる」・・・等
「別に、そういうこともあるよね」で流せる方は、特に問題ないと思います。
これまで通りで良いのかなと、思います。
ただ、以下のように、何か不安になったり、不満に思ったりするのでしたら、少し見直しが必要かもしれません。
「何か、メールの書き方に問題があったんじゃないか?」
「なんで、いろいろ考えて書いた内容を、スルーするの?」
「丁寧に書いたのに、伝わらなかった、どうしよう。正しく伝え直さなきゃ」
ここではメールを例にあげましたが、メールの時だけこうということはなく、一事が万事なので、あらゆるコミュニケーションでやっている可能性があります。
「せっかく時間をかけて○○したのに(してあげたのに)、なんで△△なんだろう(伝わらないんだろう)?」
そんな自分中心の声が聞こえてきます。
でも、相手は、あなたがどれだけ時間をかけて丁寧に書いたかなんて、知らないわけですし、冒頭でも書きましたが、
どんなにがんばって先を読もうとしても、正確には予測することはできないもの
先を読もうとしている対象が、人間の感情であればなおさら
ということなのです。
だから、予測することができない相手の反応に対して、あまり一喜一憂することなく、感情や思考をそのことに占有されないように、
自分がコントロールできる目の前のことに、いったん集中してみるのが、心穏やかに仕事を進めていく上での秘訣なのだと思っています。