【キャリア共奏 第0052号】
キャリア・カウンセラーの濱野です。
今日のブログは、主にカウンセラー向けです。
先週22日土曜日に、日本産業カウンセラー協会の以下の講座を受講した。
駒澤大学 荒井浩道先生の「ナラティブ・アプローチ入門」
ナラティブは、変化の激しい時代である21世紀のキャリア・カウンセリングのキーワードの一つである。
講義(説明)は比較的短めで、グループワークを多く取り入れて、参加者が「感じる」ことを重視した講座だった。
講義では、
「ナラティブとは何か?」
「ポストモダン」
「社会構成主義」
「ナラティブアプローチの種類」
「姿勢・面接技法」
など、基本的な内容だった。
グループワークでは、
「リフレクティング」
「価値観のチェック」
「良いところ探し」
「面接技法・・・頷き、反復、要約、追加、質問など」
こちらも、基本的なことをしっかりおさえる内容だった。
以下では、ナラティブや荒井先生ならではと、私が感じたポイントを記す。
・「無知の姿勢」 ナラティブと言ったらコレ! あなたのことを教えてくださいという姿勢
・「何が語られたか」だけでなく、それが「どのように語られたか」、さらには「何が語られなかったか」にも注目
・言葉を通して、クライエントをより深く理解しようとする姿勢(アセスメントではない)
・クライエントを要約して理解するのではなく、複雑なまま理解する
・社会構成主義、「人間が問題なのではなく、問題なことが問題」。あなたは、問題のせいで困っている被害者
・クライエントが、一つの物語を「綺麗に」語った場合。都合の悪いエピソードは捨てられている。あるいは都合が良く意味づけされている。嘘が紛れている、何かを隠している可能性がある。
・無知の姿勢をとる。問題を外在化する。例外を探しながら聴く。悪い部分ではなく、良い部分を見る
・例外を見つけたら、矛盾を伝えてみる。
・困難事例とは、クライアントが解決が困難な事例ではなく、支援するのが困難な事例。支援が上手くいかないことや断念を正当化するレトリック
・正しいことを、口に出して言うことは、必ずしも正しくない。時に、相談者を傷つける
ナラティブアプローチ、ナラティブセラピーあるいは、ライフデザインカウンセリング等については、キャリア・カウンセラーとして必須となるスキルと思われ、興味をもって取り組んでいきたいと思う。