【キャリア共奏 第0016号】
キャリアカウンセラーの濱野です。
職場での対人コミュニケーションは、かつての自分にとっては、とても疲れる行為でした。
「嫌われたくない」から、あらゆる人に気を遣い、この人の意見も、あの人の意見もたてようとしていた。
「他人の気持ちが考えられる」「協調性が高い」と言えば聞こえはいいけれど、「他人の目が気になる」「他人の評価を気にしすぎる」というのが、本当のところだったように思います。
別の言い方をすると、「自分軸」をもっていなかった、あるいは「自分の人生を生きていなかった」ということだと思います。
担当者として仕事をしている立場であれば、なんとか乗り切れても、マネージャーという立場になりコミュニケーションするパスが増えると、「あちらを立てれば、こちらは立たず」が頻繁に起こるのは必然であり、対人コミュニケーションはさらに疲れるものになりました。
そんな時、呪文のように唱えていた魔法の言葉が、以下の二つです。
「誰にでも受け入れられる必要はない。万人に愛されることを目指さない」
「自分が付き合いたいと思うひとを大切にし、その他大勢に対して、八方美人の態度をとらない」
実際、この言葉を唱えてから、いいづらいことを頼むとか、嫌われてもいいから自分の意見を言ってみるとかしてみると、
案外、それまでの心配ってなんだったんだろう? と思えるくらい、何でもないことがほとんどでした。
「最大の短所は、最大の長所」とは、良くいわれることですが、
「他人の目が気になる」「他人の評価を気にしすぎる」という自分を疲弊させていた、そして短所と考えていた対人コミュニケーションが、二つの言葉でコントロールできるようになったことで、
「他人の気持ちが考えられる」「協調性が高い」というプラスの面が、自身の今の対人コミュニケーションの長所にかわったように思います。