【キャリア共奏 第0017号】
キャリアカウンセラーの濱野です。
企業で働く方が、職場で自己コントロール感を保つためには、誰かからの依頼を断るということも必要になります。
上司からの依頼、先輩からの依頼、同僚からのお願いに対して、全て「YES]と答えてしまうと、自分の時間がどんどん浸食されて、自分ではコントロールできなくなります。
威圧的な上司も一定数存在し、なかなか抗うことができなくて、メンタル不調でキャリア相談にこられることが多いことも理解しています。
それでもなお、断ることを覚えて欲しい、断る方法を練習して試して欲しい、実践して欲しいと思います。
上司からすれば、あなたのように真面目にがんばっている人、責任感の強い人、仕事が速い人・丁寧な人に、お願いしたくなるのは当然なことです。
安心ですし、大切な仕事であればあるほど、信頼できる人に任せたくなるものです。
そして頼まれた本人も、自分で何とかなるだろうと思って、引き受けてしまうものです。
逆説的ですが、だから信頼されるという側面は確かにあります。
ただ、ここで考えて欲しいのは、仕事を頼む人は、あなたがどの程度忙しいのか、どの程度仕事を抱えているのかまでは、把握していないことが多いということです。
つまり、信頼できる人に頼んでいるのであって、時間的に余裕がある人に頼むわけではないということです。
だから、断らない限り、自分が忙しい状況であることは、相手には伝わらないのです。伝われば、別の人を探す可能性も十分あるのです。
それを教えてあげない限り、自分の時間がどんどん浸食されて、自分ではコントロールできなくなります。
様々な仕事を器用にこなせてしまう人ほど、真面目に頑張ってしまう人ほど、この傾向が強いかもしれません。
そんな人だからこそ、もっと自分のために、未来のキャリアのために時間を使って欲しいと思います。
「断わる」ことも、技術なので、練習すると上手になります。
「アサーション」というキーワードで、たくさん講座も開催されています。
是非、足を運んでみてください。
断わることを練習し、断ることを実践し、自分の未来のキャリアのための時間を創り出すことも、立派なキャリアアップの手段だと、私は思います。