【キャリア共奏 第0032号】
キャリア・カウンセラーの濱野です。
昨日は、「念(おも)い」という言葉との出会いを紹介させて頂きました。
これに留まらず、学習によって、新しい言葉を知ること、表現の幅を広げることは、キャリアという観点からも、とても重要な取り組みと感じます。
それは、
「自分自身で話せる言葉が、自分が語れる世界の広さの限界」
と思っているからです。
例えば、
「悲しい」という言葉を知らない人は、「悲しい」という感情がわからず、それを語ることができない。
「念い」という言葉を知らない人は、強い意志を示す「念い」という言葉を知らないので、その言葉を使って表現することができない。
少しわかりづらいので、別の例を挙げると、
日本語では「蝶」と「蛾」は区別されていて、蝶は綺麗だけど蛾はちょっと・・・という感覚が普通ではないかと思います。
でも、フランス語では、「蝶」と「蛾」の区別がない。
つまり、日本人は、「蝶」という言葉と「蛾」という言葉をもっているので、それを別のものとして語ることができるけど、フランス人は、別のものとして語ることができない。
良し悪しではなく、事実としてそうだということです。
つまり、言葉を知らなければ、それを語ることができないということだと思います。
キャリアという観点でいえば、例えば、自分のもっている言葉、その範囲でしか「未来の自分のありたい姿」を語ることができない、「自分らしさ」も自分のもっている言葉の範囲でしか語ることができない、
つまり、「その人が想像できる世界の限界」ということになります。
当然、自分が語れなければ、それ以上の未来は描けないし、それ以上の未来は実現されない
そこに限界があるということになります。
言葉を増やすこと、新しい言葉に出会うことは、国語のお勉強だけでは決してなく、
自分自身のキャリア、人生の幅を広げる上でも、とても大切なことであると言えるのではないでしょうか。