【キャリア共奏 第0033号】
キャリア・カウンセラーの濱野です。
自分のもっている言葉の範囲が、自分が語れる世界の限界であって、自分が語れること以上の未来は描けないし、それ以上の未来は実現できない。
だから、新しい言葉を知ること、表現の幅を広げることは、キャリア、人生の幅を広げる上でも、とても大切な取り組みではないか、ということを書きました。
今日は、別の観点から、言葉との出会いの大切さについて、書き残したいと思います。
私がカウンセラーの勉強を始めた頃、先生に伺った言葉で、とても印象に残っている言葉があります。
それは、
「自己理解の深さ以上には、他人を理解することはできない」
という言葉です。
これは、カウンセラーとして相談者に真剣に関わる上で、カウンセラー自身が自己を理解していることの大切さを教えてくれた言葉であったし、
今もって、カウンセラーとしての自分自身のよりどころになっています。
この言葉を知ったこと自体が、私のキャリア、人生の幅を広げてくれたことは言うまでもありません。
さらには、この「自己理解の深さ」を追い求める過程でも、言葉の力が必要になっています。
自分のもっている言葉の範囲が、自分が語れる世界の限界であるということは、つまり、「自己理解の深さ」の限界にもなるということです。
新しい言葉と出会った時、あるいは、初めて聞いた比喩に出会った時に、まれに感じることがある
「あ~、そういうことだったんだ」
という感触。
なかなか自分では表現できなくて、もどかしかったけど、
それだったんだ、自分が表現したかったのはそういうことだったんだ、と感じる瞬間があります。
今、振り返ると、あの瞬間が、しっくりくる言葉に出会ったあの瞬間が、自己理解が深まった瞬間だったように思います。
カウンセラーとして、人として、自己をより深く理解をするためにも、キャリア、人生の幅を広げるためにも、
良質な言葉との新たな出会いを求め続けたいし、言葉を丁寧に扱っていきたいと、あらためて思いました。