【キャリア共奏 第0043号】
キャリア・カウンセラーの濱野です。
草刈正雄さんのエッセイ
「ありがとう! 僕の役者人生を語ろう」
を読んで過ごしました。
草刈正雄さんは、現在60歳後半、ご存知の方も多いと思います。
最近のTV出演でいうと、
・NHKの大河ドラマ「真田丸」の真田幸村の父の昌幸役(堺正人の父親役)
・NHKの朝の連続テレビ小説「なつぞら」の柴田泰樹役(広瀬すずのおじいちゃん役)
・ドクターX ~外科医・大門未知子~の、理事長役だったかな
等です。
昔を知っている人は、資生堂の「MG5」のCMとか、「汚れた英雄」とかが、有名でしょうか。正真正銘の二枚目の印象があります。
昨日の大宅さんのエッセイは、好きな言葉を起点に、展開するもの
草刈さんのエッセイは、自伝的な物語が、過去から現在へと展開するものでした。
そして、このエッセイ全体としては、「出会い」がテーマになっているように思いました。
草刈さんは、モデル出身の役者さんで、昔は二枚目役で、飛ぶ鳥を落とす勢いだったと記憶しています。
ただ、ご自身のことを「僕は生まれつき気が小さい、人間が弱いのだと思う」とか、「ネガティブな性格、取り越し苦労ばかりするタイプ」と言っており、TVで見るイメージとは、本当は違っていたことに驚きました。
そんな勢いのあった草刈さんが、人身事故を起こし、軽井沢の被害者の病院近くに引っ越して、毎日お見舞いしていた時期があったこと
その後、軌跡のような出会いの積み重ねで、いくつものドラマで主役を演じるなど、大きな仕事を次々とこなしていたこと
そして、「汚れた英雄」の主役を演じ、絶頂期がいつまでも続くと思っていたが、試練が訪れたということ。
つまり、天狗になってしまった。
「撮影のときに、今まで向こうからスーッとよってきて、自分の前で止まっていたカメラが、スッと横に逸れてピントが別のところに合う。それを肌で感じるのは、さすがにつらいものがあった」
と書かれています。
エッセイを読むまでは知りませんでしたが、「どん底」を経験されていたのですね。
2014年の三谷幸喜さんの舞台「君となら」というコメディへの出演を機に、「真田丸」や「なつぞら」等への出演等で、再ブレークしたようです。
ここでも、「出会い」がキーとなっていたようです。
他の誰にも、この役はできないんじゃないか? と思えるほど、素敵な演技、印象に残る演技、役者さんだなと。
決して、順風満帆ではなく、私達、TVの前の人間にははかり知ることができない、デコボコだらけの人生が、今の草薙さんを作り上げてきたのだな、と思いました、
エッセイをヒトに紹介するのは、難しいものですね。
興味を少しでも持たれたら、是非、全てを読んでみてください。
草刈さんの役者としてのデコボコの人生が、丁寧に語られた素敵なエッセイでした。
他の人のエッセイ、人生の物語を読むことは、自分がもっている言葉、もっている物語の幅を広げることができ、自分自身のキャリアを考える上でも、とても有益だと思います。
読んでいて温かくなりました。ありがとうございました。