【キャリア共奏 第0045号】
キャリア・カウンセラーの濱野です。
月曜日に、エッセイを無性に読みなくなったのをきっかけに、
近所の本屋さんで買った「気になる表紙」、「気になる題名」のエッセイから、いくつかを紹介してきました。
エッセイ(自伝)を読むことは、著者の人生を疑似体験しているみたいで、
時には笑顔で、時には涙を流しながら、楽しく読むことができました。
ブログで紹介したものも含めると、以下の通りです。
・大宅邦子さん 「選んだ道が一番いい道」
・草刈正雄さん 「ありがとう! 僕の役者人生を語ろう」
・菅野麻美さん 「自分で決める、自分で選ぶ」
・橋田壽賀子さん 「人生ムダなことはひとつもなかった」
・滝川英治さん 「歩(あゆみ) 僕の足はありますか?」
・岡本美鈴さん 「平常心のレッスン」
どの本も、素敵な人生、素敵な言葉、素敵な物語が記されていました。
お時間あれば、是非、読んで欲しいと思います。
一方で、これらの素敵なエッセイについて、なんとかそのエッセンスだけでも、みなさんに伝えたい。
キャリアについて悩んでいらっしゃる方に、これらに書かれた言葉や物語の一部を伝えることができれば、前へ一歩を踏み出すきっかけになるのではないか。
そんなことを思いながら、火曜日から木曜日までの三日間、エッセイの一部を紹介してきました。
その過程で、エッセイを紹介することって、本当に難しいことなんだなと思いました。
せっかくなので、気付いたこと、感じたことを、書き記しておきたいと思います。
エッセイを読みながら、その物語の中に見ている(あるいは探している)のは、著者の人生、物語であることはもちろんのこと、
今の自分に必要な言葉、今の自分に必要な物語を、探しているような気がします。
人生(キャリア)の転機に差し掛かっている人は、それを乗り越えるために必要な新しい言葉や物語が、必要なのだと思います。
これまで、自分が持っていた、あるいは語ることができた言葉や物語だけでは、きっと今の局面を乗り越えること、変えることができないから。
あるいは、自分が持っている言葉、物語に対して、確証が欲しい、後押しが欲しい。
だから、他人(著者)のエッセイの中に、無意識のうちに、それを求める、それを探そうとするのではないかと思います。
だから、私が、この言葉は素敵だなと思って紹介しても、響く人もいれば、当然まったく響かない人がいるのも自然なことだろうと思いました。
何より、エッセイを断片的に切り取って、紹介することは、本を買って読んで頂くきっかけ作りにはなるけれど、
果たして、それは本当に良いことなのか? とても迷いながら、この数日、エッセイを取り上げていました。
やはり、エッセイや自伝というものは、それを読んで何を感じるか、何を読み取るかは、読んだ人の今の状態を強く反映するように思います。
私自身、半年後に、同じエッセイを読んだら、まったく別の言葉に強く共感しているかもしれません。
ということで、いろいろ書いてきましたが、
エッセイや自伝を読むということは、きっと他人の人生を疑似体験するということだろうと思います。
是非、書籍を買って断片的でなく全てを読んで欲しいと思います。そして、みなさん自身で疑似体験して頂きたいし、今の自分に必要な言葉・物語をエッセイの中に探して欲しいと思います。